ちょっと更新が遅れぎみになってしまってますが、妖怪道中旅日記~東日本編~6日目の後編にまいりましょう!
分福茶釜のある群馬県・茂林寺を後にした僕は、栃木県は那須高原にあります「殺生石」へと向かったのでした。
吹き出す毒ガス!いざ殺生石へ!の巻
群馬県から栃木県へと実際に向かうに当たって、今まで曖昧だった群馬・栃木・茨城の位置関係が完璧になりました。
そんなことは置いといて。
殺生石とは一体何なのか?
皆さんは「九尾の狐」はご存知でしょうか?
その名前の通り、尻尾が9つに分かれている狐なのですが、驚くべきはその強大さにあります。
その昔、インド・中国の王朝を滅ぼした大妖怪がいました。それが九尾の狐です。
妲己、華陽夫人と、国によって名前を変え、絶世の美女に化け王に近より誘惑、国を滅ぼしていきます。
歌川国芳の浮世絵
そんな最強の妖怪とも名高い九尾の狐ですが、とうとう最期の時がやってきます。
2つの国を滅ぼした九尾の狐は、今度は我が国・日本に狙いを定めます。
遣唐使の船で日本に渡ってきた九尾の狐は、今度は赤んぼうに化け、恵まれない夫婦に拾われます。
そしてまた美しい少女に成長、名前を「玉藻の前」に改め、当時の天皇である鳥羽上皇の側に仕えて、またしても国を滅ぼそうとしたのです。
しかし、現れた陰陽師・阿部泰成によってその正体を見破られ、戦いの挙げく敗れ、「金毛九尾」の姿になり逃げ飛んでいきます。
その逃げた先が栃木県・那須高原であるとされ、朝廷により遣わされた八万もの軍勢によりこの地でとうとうその命を落とします。
しかし、九尾の狐は自らの姿を巨大な石に変え、死んでもなお毒ガスを噴出して、辺りの動植物を殺し続けました。
それを聞いた僧・源扇和尚(げんのうおしょう)は、この地へやって来て、那須の温泉で身を清め、巨石の前で一心にお経を上げました。
すると、とうとう巨石はその力を失い、3つに割れ、各地へ飛んでいったということです。(トンカチのことを「げんのう」と呼ぶのは、これが由来とされます)
その石のひとつが、この那須高原に今でも残っていて、「殺生石(せっしょうせき)」と呼ばれるようになりました。
そんな凶悪な大妖怪ともなれば、それはもう物々しい雰囲気の場所にあるのだろうと思いきや、たどり着いたのは温泉地。
車の窓を閉めていてもものすごい硫黄の臭いがする場所に、その名もズバリ、温泉神社がありました。
この神社を抜けると、「殺生石」がある岩場に出ます。
ものすごい岩場だ。
所々黄色くなっているのは、硫黄のせいだろうか。
そして、ついに…。
見よ!これが殺生石である!の巻
その姿を現しました。
これが「殺生石」!
しめ縄が巻かれています。
しかしすごく禍々しい色をしている。
妖怪研究家の多田克己さんがこの石に乗って写真を撮っていたので、石はすぐ近くにあるのかと思ってたら、かなり上の方にあるじゃないですか。多田さん、よく登ったなぁ…。
それにしてもようやくこの目で殺生石を見られたことに感激。
訪れたのは日曜日の夕方だったのですが、温泉地ということもあり、結構見に来られている方がいました。
温泉神社の境内には、「九尾の狐稲荷」がありました。
お稲荷さんの尻尾がちゃんと9本になっているのが可愛らしいですね。
念願の「殺生石」を見た後は、近くの温泉「鹿の湯」で疲れた身体を癒してから、宿に向かったのでした。
さぁ、明日は7日目!(これを書いているのは8日目です(汗))
果たして何が待っているのでしょうか!
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